子供の癇癪(かんしゃく)がひどい!原因は?大人はどう対応する?
乳児の時期をすぎれば、だんだんと気になってくるのが子供の癇癪(かんしゃく)。
かんしゃくに悩まされているという親御さんも多いのではないでしょうか?
子どものかんしゃくをうまくおさえる方法は「子どもの感じている気持ちを言葉にしてあげること」。
こちらの記事では、
- 子供のかんしゃくが起きる原因
- 子供のかんしゃくへの対応
について、心理学的な観点から書きたいと思います。
癇癪(かんしゃく)とは?
まず、「癇癪(かんしゃく)」という言葉についてgoo辞書で調べてみました。
ちょっとしたことにも感情を抑えきれないで激しく怒り出すこと。また、そういう性質や、その怒り。「癇癪を起こす」「癇癪が強い」
goo辞書【癇癪(かんしゃく)】 の意味
「ちょっとしたことで激しく怒ること」を癇癪(かんしゃく)というんですね。
なぎさ
子供の癇癪(かんしゃく)の原因は?
「なんで子供ってあんなにすぐかんしゃくを起こすんだろう?」
そう思ったことはありませんか?
子供って、ちょっとしたことでめっちゃ泣くし、めっちゃ怒る!
我が家の3歳の娘も、毎日5回以上は泣きながら怒っています。
大人になってくると、だんだん些細なことでは怒らなくなってきますよね。
もちろん個人差はありますが、加齢と経験によって、感情コントロールが少しずつ上手になります。
けれど、大人でも、感情のコントロールが「全く」きかなくなるときがあります。
たとえば、
- 災害
- 命の危険を感じること
- 強い恐怖や悲しみ
などの「危機的な体験」をすると、不安や怒りや悲しみの感情があふれてきてしまうということは、聞いたことがあるかもしれません。
子供の心の中はいつも危機?
子供の場合、日常の生活の些細なことで「危機的状況だ」と感じてしまいます。
たとえば、
- こけて怪我をしたとき
- お留守番をしなければいけないとき(少しの間親と離れてしまう状況)
- やりたいことが思うようにやれないとき
子供は、客観的に自分の状況を判断できないので、不快を感じるとすぐに「危機が起きた」と感じやすいんですね。
それで、大人が危機的状況に直面したときのような強い情動が出てきて、感情のコントロールができなくなるんです。
子供って、ちょっとしたことでピンチを感じているんですね!
なぎさ
泣くことは必要なこと
子供は「こわい」「不安」「痛い」など、不快を感じると、泣いて知らせる力をもって生まれてきます。
泣くことは、不快をおさえるために必要なことなんです。
重要なのは、子どもを「泣き止ませること」ではなくて、「安心を感じてもらいながら泣かせてあげること」。
子どもは、思い切り感情を表現し、それを周囲に伝えます。
そして、不快を取り除く手伝いを大人がすることで安定していきます。
子供のかんしゃくは成長過程で必要なことなんだ!
なぎさ
子供の癇癪(かんしゃく)にどう対応する?
「子供のかんしゃくは成長過程で大切っていうことはわかったけど、かんしゃくが起きたときにどう対応すればいいの?」
親としてはそこが気になりますよね。
子どもがかんしゃくを起こしたときは、「子どもの気持ちを想像して言葉にしてあげる」のが効果的です。
ネガティブな感情を言葉にすることが大切
子どもが、かんしゃくを上手におさめることができるようになるには、「怒り」「不安」「悲しみ」などの「ネガティブな感情をコントロールする力」が必要です。
子供が「ネガティブな感情をコントロールする力」をつけるために、大人は「子供のからだの中に起きている不快な感覚」と「言葉」をつなげるサポートをしてあげる必要があります。
そう言われても、なかなかピンときませんよね。ここからはイラストを使って説明しますね!
なぎさ
感情はどうやって言葉とむすびつく?
わたしたちは、「花」という言葉を聞けば花を想像しますよね?
基本的に、言葉はものと1対1で結びついています。
なので、わたしたちは「言葉」を聞けば、それに対応する「もの」を想像することができるんです。
言葉をつかうことによって、自分の中のイメージを周りの人とスムーズに共有できるので便利ですよね。
なぎさ
「うれしい」「かなしい」「怒っている」などの感情も、これと同じ方法で共有することができます。
つまり、「今、自分の中で起きているからだの感覚」が「言葉」と結びついたとき、周りの人と感情を共有できるようになるんです。
たとえば、あなたが怒っているとき、胸のあたりがムカムカする感覚に気づいて「今、わたし怒ってる」と言葉にしたときに、あなたの怒りの感情は周りの人と共有できるようになります。
子どもの「からだの感覚」と「言葉」を結びつける
幼いときは、自分のからだの感覚が言葉と結びついていません。
だからこそ、からだに「ムカムカ」「モヤモヤ」と不快な感じがすると、泣いたり騒いだりして表現するんですね。
子どもがネガティブな感情を行動で表現したとき、大人は、子供の感情を推測して、「怒ってるんだね」「寂しいのね」など、言葉にしてあげることが必要です。
そうすれば、からだの感覚と言葉が結びつき、不快なことがあっても「泣く」「騒ぐ」などの表現ではなく、適切に言葉で表現することができるようになります。
言葉と結びつくことで感情はコントロール可能になる
からだの感覚を言葉で表現できるようになると、感情はコントロール可能になっていきます。
「モヤモヤ」「ムカムカ」というからだの感覚はあるけれど、それを言葉にできないときというのが、いちばんかんしゃくの起きやすい段階。
言葉にできないと、「モヤモヤと悩んでいる」「ムカムカ怒っている」という感情を自分で認識できないので、そのモヤモヤをどうしていいかわからないからです。
言葉で認識できないと、ストレス源に対処できないというのは大人も一緒です。
大人にとっても、自分の状態を言葉で認識するというのはすごく大切なプロセス。
周りの人に相談することで、なんとなく自分のことが整理できるとすっきりする体験をしたことはありませんか?
言葉にすることで、自分の状態を客観的に見つめることができ、ネガティブな感情をどう扱っていくかを考えることができます。
子供のネガティブな感情を受け止めることは難しい
親が余裕のないときは、子どものネガティブな感情を受け止めるのがは難しいですよね。
子どもが泣いてしまうと、こちらもどうしてよいか分からず途方にくれたり、イライラしてしまったりします。
私自身、子供に、「落ち着きなさい!」と怒鳴ってしまうこともめっちゃあります。
でも子供が寝てしまったときに、そのときのことを振り返ると、、
「落ち着いてないの私の方やーん!」
と気づきます。
子供がかんしゃくを起こしているときは「はやく止めなきゃ!」と焦って、余裕がなくなり、自分が興奮していることが多いんですよね。
わたしが興奮している場合、言葉は「落ち着きなさい!」と言っているにも関わらず、私自身の表情や態度は全く落ち着いていないし、声もでかい。
それで、子供はますます興奮してしまい、かんしゃくがひどくなることもあります。
親の状態に子どもを巻き込む
子どものかんしゃくを落ち着けるためには、親の「落ち着いている状態」に子どもを巻き込むことが必要です。
「怒ってるんだね」と大人が落ち着いて子どもの気持ちを言葉にしてあげると、子供もだんだんと落ち着いていきます。
ネガティブな感情は言葉と結びつきにくい
子どものネガティブな感情と言葉は、ポジティブな感情に比べると結びつきにくい傾向があります。
子どもが「うれしい」「楽しい」とポジティブな気持ちになっているときは、こちらも感情を言葉にしてあげることは簡単です。
「うれしい」とニコニコしている子どもを見た大人は、自分も「うれしい」と思っています。
その場合、親の気持ちと言葉が同じ方向なので、「うれしいね」と言葉にしてあげやすいです。
一方で、子どもが「怒り」「悲しみ」「痛み」を全力で表現した場合も、親は子供の感情に共感してしまいます。
親自身も不快になり、感情が揺れるので、落ち着いて「こわかったね」「寂しかったね」と言葉にすることが難しいのです。
そのため、子どものネガティブな感情と言葉は、ポジティブな感情に比べると結びつきにくい傾向があります。
これは、みんなが難しいと感じていることなので、上手に声かけできないからといって落ち込む必要はないです!
なぎさ
子育てって本当に難しい!
言葉で自分を表現できず、からだで怒っている子供にたいして、
- 親がこどもに言葉で気持ちを受け止め共感しする
- 親の落ち着いている状態に子供を巻き込む
- 子供のからだの不快が落ち着く
という流れで、かんしゃくがおさまっていくのがベストです。
そうは言っても、親として、この流れで子供の癇癪をおさえることはめっちゃ難しい
わたしもあんまりできたことがない!
なぎさ
「受容」と「しつけ」のバランスは、子育ての永遠のテーマであり、わたしたちがずっと付き合っていかなきゃいけない悩みなのかもしれませんね。
さいごに
今回は、
- 子供のかんしゃくが起きる原因
- 子供のかんしゃくへの対応
について書きました。
子供のなかで起きている、「からだの不快な感覚」と「言葉」を結びつけることで、感情コントロールは可能になっていきます。
かんしゃくを含め、子供の感情コントロールはすぐに身につくものではなく、大人が忍耐強く付き合っていかなければならないテーマです。
でも、子供のネガティブな気持ちを受け止めることはとてもとても難しい!!!
10回のかんしゃくに1回でもうまく対応できたらはなまる^^
そういう気持ちでゆるゆる取り組んでもらえたらなぁと思います^^